FCLPって、なんじゃ?

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今回は、アメリカ軍が馬毛島でやろうとしている「FCLP」について簡単に解説します。

 

FCLPとは、

英語で、「Field Carrier Landing Practice」と言い

日本語で、「陸上空母離着陸訓練」と言います。

 

これだけでは意味不明ですよね。もっと簡単に説明すると、

本来、飛行機が地上から空に離陸する時や、空から地上に着陸する時は非常に長い滑走路が必要です。

ちなみに成田空港の滑走路は4000メートルです。

 

でも、戦争が始まると戦場にはそんな都合のいい滑走路はありません。ヘリコプターならどこでも離着陸できますが、ジェット戦闘機は滑走路がないと離陸も着陸もできないんです。

燃料補給、爆弾の詰め替え、パイロットの交代などなどの理由から、戦場には滑走路が絶対必要なんです。

 

そのために航空母艦(空母)が存在します。

大きな船の甲板が平たくなっていて、戦場ではその甲板を滑走路として利用します。

 

しかしながら、空母といえども滑走路の長さには限界があり、アメリカ海軍が持っている空母の滑走路でも300メートルしかありません。陸上の滑走路の十分の一以下です。

マッハ3(時速3600キロ)で飛んでいるジェット戦闘機が、海の真ん中に浮かぶ小さな滑走路に着陸する事はとてつもない技術が必要になります。

 

もし失敗したら、5000億円の空母も沈没してしまうし、120億円の戦闘機を失う事になるのです。失敗は許されません!!

その為に、いきなり空母に着陸するのではなく陸上の滑走路を、空母の飛行甲板に見立てて何回も何回も練習します。

マッハ3で飛んでる戦闘機が着陸の時に使うタイヤを機体から出し、徐々に高度を下げて、滑走路にタイヤがタッチしたのを確認してから再び大空へGOします。

 

いわゆるこれが、「タッチアンドゴー」です。

 

では、「FCLP]と「タッチアンドゴー」は同じか?

この質問を九州防衛局の池田さんに聞いた結果。違う事が明らかになりました!!

やる事はほぼ同じなんですが、意味が違ってきます。

 

ここからの話はとても重要なので、真剣に読んでくださいね!

 

さきほども言いましたが、マッハ3の速度で小さな甲板の滑走路に着陸する事は凄く難しいんです。

だからジェット戦闘機のパイロットは常にその正常な感覚をマックスな状態で保ってなければいけません。

しかし、パイロットも人間です、時間とともに感覚が鈍ってきますよね。

アメリカ軍は、定期的にパイロットに対して正常な感覚を保っているか?を試験します。

その試験に合格するために何回も何回も地上で「タッチアンドゴー」を繰り返し練習します。

この、試験合格のために「タッチアンドゴー」を繰り返し練習することを、

「FCLP」といいます。

 

でも軍の訓練にはいろいろあり、

試験合格とは無関係の「タッチアンドゴー」もあります。

その「タッチアンドゴー」の事は「FCLP」とは呼びません。

 

ややこしくなりましたが、

試験合格のためのタッチアンドゴー、いわゆる「FCLP」をA

試験合格とは無関係のタッチアンドゴーをBとします。

 

防衛省の品川さんによれば、年間10日間程度Aが2回行われるだけなので、その時だけチョット我慢すればいいから大丈夫だよ!って感じで説明がされました。

 

何かを誤魔化している雰囲気を感じたので、さらに突っ込んで質問した結果、実はBも行われる事が明らかになりました。

しかも年間130日も!!

ってことはABを合わせると年間150日!!準備期間なども含めると年間200日くらいになる計算!!

こんなに大切な事を何故に防衛省は隠すんでしょうね。もし、突っ込んで質問しなかったら、今後大変な問題になってましたよね。

種子島の人たちは「年間10〜20日間だけ我慢すれば交付金がもらえる」と思ってましたよ。

基地推進派の人たちもビックリですよね!

 

ABも、やることはほぼ同じだから、最低でも年間200日くらいは朝方3時まで爆音が轟き、種子島の静寂は完全に失われることになりますよね。

 

しかも、この日程や飛行経路は現時点でのアメリカ軍との約束事なので、今後平気で約束を破ってきて好き勝手にやられてしまう可能性があります。

日本にある基地はすべてアメリカ軍が、やりたい放題で大問題だもんね。

その事に対して、日本政府は何も言えないんですよね、

日米地位協定」のルールブックでそう決まってるもんね。

地位が違うんだよね!

 

だから、基地ができてしまったら、何を言っても聞いてもらえないので、

できる前に、諦めずに反対を訴えましょうね!

 

タッチアンドゴーを繰り返す「FCLP」は日本だけでなく、全世界で大問題が起きてます。

マッハ3で飛行しているジェット戦闘機が急ブレーキで高度を下げ、滑走路にタッチしたと同時にアクセル全開で急加速で飛び立つ時に発生する音は、騒音の枠をはるかに超えた爆音を轟かせます!

 

そのため、アメリカ本土でも訴訟がおき、アメリカ軍は住民たちに裁判に負け、

アメリカ本土での「FCLP」か全面禁止になりました。

 

そんな裁判で負けた物騒なもんが、馬毛島でやろうとしてんですよ!!

金の問題じゃないでしょ、絶対やだぁ〜!

 

*写真は、アメリカ海軍の航空母艦(空母)です。